床屋 | うさぎはじめました。

床屋

人間生活していればあらゆる毛が伸びてくるものです。
そんなあらゆる毛を処理する場所が聖地TOKOYAです。


入店したらまず高級本皮の電気椅子に案内されます。
そして、何の了解も得ないまま白装束的なシーツをかけられます。
これは、パナウエーブ研究施設で開発された
宇宙の電波から身を守るものなので安心してご使用ください。


まず「今日はどのように?」という質問を受けますので
「どのようにだと?」と聞きなおしましょう。
半分キレ気味のほうがチョイ悪おやじっぽくて素敵です。
ただし、時間内に答えられないと椅子をグルグル回されます
ので注意が必要です。


次にどのような髪型にするかを胸いっぱいのボディーランゲージ
伝えます。
ほかの伝え方として有名人の写真や好きな相撲取りの写真、
愛用のフィギュア
などを参考にしてもらうのが一般的です。


しかし、下記のような写真は参考になりかねます。
カリスマ店主も意気消沈です。

 写っているものが人間ではない
 小さすぎて人かどうかすら判別できない
 写真のほとんどがモザイク
 無駄に脱いでいて局部まで鮮明に写っている
 心霊写真
 写真と思ったら藤子不二雄ランドのおまけセル画


髪型が決まれば、いよいよカットです。
後は、身をゆだね、運に任せて祈るのみです。


切っている途中で「あっ」とか「ヤバッ」などの声が聞こえたら
信頼度激熱です。
相手は凶器を頭部近辺で振り回しています。
何があっても対立してはいけません。すべてyesでお答えください。


断髪式が終われば次に洗髪式です。
椅子をぶっ倒されますのでコントのようにいいリアクションを
とることを要求されます。
リアクションがない場合は、顔にタオルをかぶせられ「死んだこと」
にさせられます。


いよいよ洗髪です。
見えない状況で何らかの液体を頭部にぶっかけられ、
しこたま擦られますが、動じてはいけません。
心を乱せば熱湯攻撃にあいます。
フォースを感じてください。来て見て触ってください。


次に「痒いところはありませんか?」という問い(とんち)が
課せられますが、とことん黙秘権を執行しましょう。
洗う中に爪先を感じることができます。


これで、ダンディズム全開のシケメンの完成です。
ちゃんとカット代1000円(中学生)を払い、「いい仕事だったぜマスター」と
余計な一言を添えて店を後にするのが通です。